探究学習プロ講師|高橋晋平(総合的な探究の時間 講師)
20 / 05 / 02こんにちは。高橋晋平です。(https://twitter.com/simpeiidea)
各学校で本格的な導入がスタートしている「総合的な探究の時間」(探求学習)の講師をしています。
本業は株式会社ウサギという会社の代表で、主に2つの仕事をしています。
1つ目は、おもちゃやゲームの開発者。いろいろな遊びを作っています。気泡緩衝材のプチプチを指でつぶす感触を再現したおもちゃ「∞プチプチ」、自分や友達と同じ性格を持ったバーチャルキャラを観察する液晶玩具「Human Player」、イライラを減らす「アンガーマネジメントゲーム」、妄想を売買するWebアプリゲーム「妄想商品マーケット MouMa」。様々な種類のアナログゲームやカプセルトイなどもたくさん作ってきました。自分の本名がゲーム名になった「瞬間決着ゲーム simpei(シンペイ)」というボードゲームが発売されたこともあります。(実績はこちらから)
2つ目は、アイデア発想ファシリテーター。誰もがアイデアを考えることが得意になって、たくさんのアイデアが生まれる社会を作るために、いろいろな企業や学校でアイデア発想法を伝え、考えるお手伝いをしています。僕のアイデア発想法のエッセンスは、TEDxTokyoに登壇したときの5分55秒の動画で短く語っています。よかったらYouTubeでご覧になってみてください。
僕の授業では主に「どんなおもちゃやゲームがあったら、世の中に楽しみや付加価値を与えられるか」というお題に対して、企画アイデアを考えてもらいます。生徒さんや学生さんの自由な発想から生まれたものを、実際に販売した例も多数あります。
それに取り組みながら、探究のサイクルを回します。(①課題の設定→②情報の収集→③整理・分析→④まとめ・表現→① “新しい” 課題の設定→ ……という流れを繰り返し、答えに向かい続ける)
例えば、ボードゲームを作る授業を通しては、「どうやったらより面白いゲームになるのか」を試行錯誤し、完成に向かっていくという探究を行います。
例を挙げると、「魚釣りゲーム」というものを考えるとします。裏返しの魚カードを順番に引いていき、合計得点が高い人の勝ちです。例えばだいたいの魚が1点、2点で、大物の100点の魚カードを1枚入れるとしましょう。それで試しにゲームを作って1回目のテストプレイをすると、100点のカードを取った人が必ず勝つので、面白くないことがわかります。
そこで、大物でもせいぜい5点にして2回目のテストプレイをしてみると、接戦にはなるものの、100%運で勝負が決まるし、大逆転もないので、やっぱりあまり面白くありません。
今度は、何枚かのカードを見て選べる撒き餌カードや、人が取った魚カードを奪える横取り網カードなど、特殊なカードを入れて3回目のテストプレイをしてみます。
以上のようなことを何度も繰り返し、周りの人に遊んでもらって面白さを評価し、改善しながら「面白さ」とは何かを研究していきます。ゲーム開発にはまさに探究の基本が詰まっています。
おもちゃやゲームだけではない、子供たちが調べたい自由なテーマについての探究の指導も行っています。
ここで、よく先生方から挙がるトピックが、
学校の自由研究や探究学習のテーマは、どうやって考えれば良いか、です。
小学生の自由研究や、中学・高校の授業で増えてきた探究学習では、まず調べるテーマ(問い)を考えることから始まります。他の授業は問いと答えがセットで用意されていて、問いを考えて答えを導き出すわけですが、そのような勉強ばかりしてきた中で急に「問いを考えよ」などと言われても困ってしまいます。
問いを考える一歩目は、「世の中の疑問に気付く」ということになりますが、まず、世の中に疑問ではないことなど存在しません。なぜ地球があって、僕たちが生きているのか。自分がなぜ存在していて、なぜ意識があるのか。なぜいろいろな色があるのか。植物とは何なのか。なぜスマートフォンが動いているのか……。すべて不思議ですよね。つまり、この世の万物が、選んでもいい問いの選択肢になります。
あとはその中から、「①自分の力で答えに近づくことができて、」「②調べたら自分の欲求が叶う」問いを選びます。例えば「どうして空は青いのか」を自力で調べるのはなかなか難しいですし、もしわかっても本音の欲求が満たされるかどうかはわかりません。それに対し「どうすれば朝スッキリと目覚められるのか」を調べるのは、条件を変えて実験できますし、スッキリ目覚められると自分が得をするので、興味を持って楽しく取り組めます。
このあたりの会話を、子供たちが自身の「叶えたい欲求」を見つけるフェーズから始め、ていねいに研究の進め方を教えていきます。
探究は、小学生の自由研究と同じです。
一緒にアイデアを考えて、大人顔負けのアイデアを世の中に発表しましょう。
授業のお問い合わせフォーム → https://www.secure-cloud.jp/sf/1545232090GAeHlkJK
以下のコンテストの企画運営にも参画しております。
https://tankyu-japan.com/ISGP2022/